うつ病になるとさまざまな不定愁訴に悩まされますが、中でも睡眠障害に悩まされる人が多いです。心身の健康の為には質の良い睡眠は欠かせません。うつ病患者の殆どは寝付きが悪く、中途覚醒をくり返すなどの症状が顕著にみられます。日頃から質の良い睡眠を得られていないので、昼間はずっと眠くて仕方がないという状態が続き、仕事にも支障をきたすようになります。医療機関でうつ病と診断されたとき、まずしなければならないのが環境の見直しです。眠りと覚醒のリズムを整えながら規則正しい生活習慣を取り戻さなければなりません。治療期間中は必ずしも仕事を休む必要はありませんが、症状によっては職場の上司や同僚と今後の対応について相談しておきましょう。しかしうつ病を完治させるには、ある程度の期間が必要となり就労を続けるのは困難な場合が多いです。そのような場合には、支援制度などの利用も視野に入れながら、退職しても受けられる傷病手当を申請しておきましょう。傷病手当は条件さえ整えば、退職後も1年と6ヶ月の間に標準月額報酬の3分の2が支給されるので、生活費の足しになります。
傷病手当金は万が一のときでも生活を支える役割を果たすので、知っておきたい制度の1つです。病気で就業できないときに、被保険者の家族の生活を守るためにある制度ですが、うつ病患者も申請できることから利用する人が増えています。この手当ては仕事ができない状態が3日間続いたうえで、4日目から休んだ日の分だけもらうことができます。しかしこの期間について雇い主から傷病手当金より多い報酬を受けた場合には支給されないので注意が必要です。この傷病手当金は自分で申請しなければ、受給することはできません。適切に申請しなければ、受けられるべきお金をもらえないこともあります。もし会社が提出に必要な書類への記入を拒んだ場合でも、行政から指導してもらうことができるので相談してみましょう。うつ病患者にとってこれらの手続きは、簡単なものではありません。しかし傷病手当金を受給するための申請は、治療に専念できる環境づくりへの大きな一歩となる筈です。この制度についてきちんと学び、生活を守るための権利を利用することが必要です。